合成酸化防止剤の例口ひげとまゆ毛が特徴のミニチュアシュナウザー。おじいちゃんみたいな見た目の犬と言われることも多いのですが、性格はどちらかというと元気いっぱいの少年のような犬です。
飼い主さんには愛情深くて甘えん坊なところもありますが、一方でちょっぴり気が強くて頑固な面も。それも、人間の頭脳を持つ犬といわれることがあるくらいに賢い犬種だからこそ。
今回は、そんな魅力たっぷりのミニチュアシュナウザーが健康で長生きするための食事(ドッグフード)についてご紹介します。
ミニチュアシュナウザーにあったドッグフードを選ぶためには健康上のリスクを知ること
ミニチュアシュナウザーの健康を守るためには、犬種特有の体質や罹りやすい病気を知り、正しい食事管理を行うことが大切です。
ミニチュアシュナウザーでとくに注意したいのは次の2つになります。
食いしんぼうで太りやすい
ミニチュアシュナウザーは、遺伝的に脂肪の代謝が苦手です。そのため、肥満や高脂血症になりやすい犬種だといわれています。そのほかにも肥満はさまざまな病気の原因になるため、太らせないようにしっかりとした食事管理が必要です。
ミニチュアシュナウザーは尿路結石症に注意
ミニチュアシュナウザーは、遺伝的に結石のリスクが高い犬種です。ほかの犬種と比べると、なんと7.7倍もリスクがあるといわれています。遺伝のほかにも、飲水量が少ない犬種であることも原因として考えられています。
また、結石の原因には「肥満」があり、太りやすい犬種であるミニチュアシュナウザーは要注意です。
ミニチュアシュナウザーに適したドッグフード選びのポイント
ミニチュアシュナウザーと暮らすうえで、とくに注意したい健康リスクについてご紹介しました。では、どのようなドッグフードが適しているのか、もう少し詳しく見ていきましょう。
肥満予防のために必要な「低脂肪」「低カロリー」「低GI値」
太りやすいミニチュアシュナウザーの食事は、低脂肪、低カロリーのドッグフードがおすすめです。
避妊去勢用や体重管理用、適正体重を維持するための機能性ドッグフードを与えるのも良いでしょう。
そして、もうひとつ注目してほしいのがGI値です。
GI値とは、食後の血糖値が上がる早さを表した数値です。
低GI値:ゆっくり吸収されるため、腹持ちが良く太りにくい
高GI値:血糖値の上昇が早いため、糖を体にため込み太りやすくなる
- 低GI値の食材:玄米、ひよこ豆、えんどう豆など
- 高GI値の食材:じゃがいも、米、小麦など
肥満予防には食事の内容はもちろんですが、与えすぎも厳禁です。ミニチュアシュナウザーのような食いしんぼうな犬種は、適正量を与えても「もっと食べたい!」と訴えてくることもあります。言われるがままに与えているとあっという間に肥満街道まっしぐらなんてことにもなりかねません。しっかりと管理しましょう。
ただ、愛犬の適正量がわからないという人も少なからずいると思います。そんなときは体重から適正量を計算するのがよいでしょう。計算方法は、「ドッグフードあげすぎていませんか?愛犬に合った給与量を知ろう」で解説していますので、そちらをご覧ください。
結石予防のカギを握るのはミネラルバランス
結石の原因のひとつが食事。リン、マグネシウム、カルシウムに代表されるミネラルを摂りすぎる食事を続けていると結石ができやすくなるといわれています。
リンとマグネシウムが過剰になるとストルバイト結石。カルシウムが過剰の場合は、シュウ酸カルシウム結石になります。
だからといって無闇にリンやマグネシウム、カルシウムを減らすのはおすすめできません。犬にとってこれらのミネラルは、体の調子を整えたりするためには必要不可欠な栄養素だからです。
AAFCO(米国飼料検査官協会)の栄養基準では次のように定められています。
※AAFCOは日本のペットフード公正取引協会が採用している基準です。
リン
- 子犬:1.0〜1.6%
- 成犬:0.5〜1.6%
マグネシウム
- 全年齢:0.06%〜
カルシウム
- 子犬:1.2〜1.8%
- 成犬:0.5〜1.8%
また、リンとカルシウムのバランスも重要で、「カルシウム:リン=1:1〜2:1」が良いとされています。
これらの数値を目安にドッグフードを選ぶようにしましょう。
また、結石に配慮したドッグフードもありますので、そういったものを与えるのもありかもしれません。ただし、極端にミネラルを減らしたり、多量の塩分を添加して飲水量を増やすように調整しているものもあるので注意が必要です。心配な場合は獣医師に相談することをおすすめします。
それと、忘れてはいけないのが水分摂取です。結石の原因には水分不足もあります。いつでも新鮮な水が飲めるように用意してください。
もし、どうしても飲水量が増えない場合は、ドライフードをふやかしたり、ウェットフードと併用することを検討しても良いでしょう。
高品質な動物性タンパク質が主原料のドッグフードを!
ミニチュアシュナウザーにかぎったことではありませんが、犬にとってタンパク質は大変重要な栄養素です。
タンパク質は筋肉や臓器をつくったり、美しい被毛を維持したりといった働きをします。また、筋肉量が増えると肥満予防にもつながるとされていますから、太りやすいミニチュアシュナウザーにとっては、そういった意味でも重要な栄養素になるでしょう。
安価なドッグフードのなかには、穀物を主原料としているものもあります。購入の際には原材料を確認し、穀物メインではなく肉や魚がメインのものを選んでください。
また、ミートミールや肉骨粉といったものよりも、チキン、ラム、サーモンなど具体的にどのような肉や魚が使われているのか明記されているものがおすすめです。
× ミートミール、肉骨粉
〇 チキン、ラム、サーモン
ドッグフードに使われる注意すべき添加物とは?
ドッグフードにはさまざまな添加物が使われています。
あまり良い印象をもたれない添加物ですが、栄養バランスを整えるために使用されるビタミンやミネラルも実は添加物なのです。これらは、天然の素材だけでは不足してしまうため、どのドッグフードにもかならず添加される栄養素です。
このように、有益な添加物もあるのです。
では、注意すべき添加物にはどのようなものがあるのでしょうか。とくに注意したいものには次のようなものがあります。
- 香料や甘味料:指向性を高める
- 着色料:見た目を良くするために使用される(飼い主向け)
- 保存料:腐敗や微生物の増殖を抑えフードの保存性を高める
- 酸化防止剤:フードの酸化を抑え保存性を高める
これらの添加物のなかには、人間への使用が禁止されているものもあります。また、保存料として使われる亜硝酸ナトリウムやソルビン酸カリウム、酸化防止剤として使用されているエトキシキンやBHA、BHTなど安全性が疑問視されているものもあるので注意が必要です。
- エトキシキン
- BHA
- BHT
- 没食子酸プロピル
一方で、安全性の高い天然由来の酸化防止剤を使用したプレミアムドッグフードも多数販売されています。
- ミックストコフェロール(ビタミンE)
- ローズマリー抽出物
- ビタミンC
- クエン酸
近頃ではさまざまな工夫で酸化防止剤を使用していない「このこのごはん」のようなドッグフードも販売されています。どうしても心配だという飼い主さんは酸化防止剤無添加のドッグフードを検討するのも良いでしょう。ただし、酸化には十分に注意してください。
まとめ:ミニチュアシュナウザーにおすすめのドッグフードは肥満と結石を予防できるもの
今回はミニチュアシュナウザーを健康で長生きさせるためにどんなドッグフードを選んだらいいのかお話してきました。
ミニチュアシュナウザーは、脂肪の代謝が苦手なので肥満になりやすい犬種です。また、尿路結石症のリスクもほかの犬種と比べ7.7倍も高いといわれています。
そんなミニチュアシュナウザーのドッグフードは以下に注意して選びましょう。
- 低脂肪、低カロリー、低GI値
- 高品質な動物性タンパク質のフード
- リン、マグネシウム、カルシウムのバランスと含有量に注意
- できるだけ合成添加物の少ないもの
この記事を書いた人
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保有資格:ペットフードー/ペットマナー検定、ペット災害危機管理士、犬猫行動アナリスト。
ヒゲわんが大好きなフリーライター。ミニチュアシュナウザーなど犬の飼育歴25年、現在はワガママなお嬢様猫と同居中。ペット系メディアでの記事執筆の実績多数。
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