ドッグフードの選び方を調べていると「ヒューマングレードが安全だ」とか、「4Dミートは危険だ」とか言われているのを目にすることがあると思います。
はじめての犬を迎えたばかりの人にとっては、ドッグフードの安全性も気になるところですが、そもそも「ヒューマングレードってなに?」「4Dミートって?」という状態ですよね。
そこで今回は、「最低限これだけは知っておいて!」というドッグフード選びに役立つ用語をまとめてみました。犬をはじめて飼う人にもわかりやすく解説していますので、ぜひお役立てください。
安全なドッグフードを選ぶために知っておきたい基本の用語
ヒューマングレード
ヒューマングレードとは「人間が食べられる品質の食材」という意味です。つまり、人間の食材と同レベルの原材料を使用したドッグフードということになります。
原材料の安全性の高さから、インターネットでは「ヒューマングレードのドッグフードを選びましょう」という人も多いです。
しかし、実際のところは法的な基準もなければ、世界的な基準があるわけでもありません。そのため、ヒューマングレードはメーカーごとに基準が異なります。当然、使用される食材のグレードや品質もさまざまです。人間が食べられる品質といっても過信は禁物。どんな原材料を使用しているのかしっかりと確認することをおすすめします。
プレミアムフード
一般的に合成添加物が使用されていない、安全な原材料を使用しているなど高品質なドッグフードをプレミアムフードと呼んでいます。健康指向の飼い主さんに人気です。そういった飼い主さん向けに、インターネットではプレミアムフードを販売する専門店もあります。
ただし、ヒューマングレード同様に基準があるわけではありません。また、なかには、原材料の品質にはこだわっているのに、栄養バランスが残念な商品もあります。購入の際にはかならず成分表示を確認するようにしましょう。
ライフステージ
犬の成長段階や状況にあわせ、幼犬から老犬、妊娠・授乳期までを4つのステージに分けています。
- 成長期(〜12ヶ月)
- 維持期(1歳〜6歳)
- 高齢期(7歳〜)
- 妊娠期・授乳期
ライフステージによって必要な栄養バランスが異なるため、ドッグフードも成長にあわせて変える必要があります。
AAFCO(米国飼料検査官協会)
AAFCOとは「ペットフードの栄養基準や表示基準のガイドラインを作成しているアメリカの非営利団体」です。正式名称の「The Association of American Feed Control Officials」の頭文字をとってAAFCO(アフコまたはアーフコ)と呼ばれています。
AAFCOはあくまでも、米国内のペットフードの基準を定めている団体であり、検査をしたり認定をしたりといったことは行っていません。
AAFCOの基準は、日本をはじめとする多くの国やメーカーが参考にしています。
成分分析値
どの栄養素がどれくらい含まれているのかを表示しているのが成分分析値です。「保証分析値」「保証成分」と書かれていることもあります。
ドッグフードは最低限、粗タンパク質、粗脂肪、粗繊維、粗灰分、水分の重量比を記載するよう定められています。
通常、○%以上(最低含有量)または○%以下(最大含有量)と記載されています。
原材料名
ドッグフードに使われている原材料名や添加物名が書かれています。公正競争規約では含有量が多い順番に原材料を記載するよう定めています。そのため、原材料で上位のほうは成分の含有量が多く、下位のほうは含有量が少ないことがわかります。これは、化粧品の成分表示と似ていると言って良いでしょう。
購入の際はとくに以下に注意しましょう。
- 主原料(原材料で上のほう)が肉または魚であること
- 着色料や甘味料、合成の酸化防止剤が使われていないか
- ミートミール、肉骨粉など安全性が不透明な原材料が使われていないか
ドッグフードの種類や分類を知って正しい選び方を知ろう
総合栄養食
総合栄養食(フード)と水があれば生きていくのに必要な栄養素を摂取できるものとされています。毎日の主食として与えるのに適しています。ほどんどのドライフードが総合栄養食です。
間食
いわゆる「おやつ」です。躾や楽しみとして与えます。与える場合は1日の摂取カロリーの20%程度までです。また、ダイエット中は控えるのが望ましいのですが、もし与える場合は1日の摂取カロリーの10%程度にしましょう。
療法食
特定の病気の治療や症状の緩和を目的に使用される特別な食事です。病気にあわせた栄養素になっているため、極端な栄養バランスのものも多く、予防目的や毎日の食事として与えることはできません。与える際はかならず獣医師の指示に従いましょう。
その他目的食
総合栄養食、間食、療法食のいずれにも属さないペットフードです。一般食、栄養補完食、カロリー補給食などがあります。サプリメントやふりかけなどもその他目的食に分類されます。
一般食
おかずタイプの食事で嗜好性が高いとされています。ウェットフードの多くが一般食になります。これだけでは必要な栄養素を満たすことができないため、かならず総合栄養食といっしょに与えなければいけません。
猫の飼い主さんのなかには、一般食や総合栄養食があることを知らずに、一般食のウェットフードを主食として与えている人も少なくありません。犬でウェットフードを主食にしている飼い主さんは少数かもしれませんが注意してくださいね。
グレインフリー
一般的には「小麦、とうもろこし、米」を使用していないドッグフードをグレインフリーとしています。しかし、ペットフードにおいては明確な基準はありません。
ドッグフード選びのサイトでは、「グレインフリーを選びましょう」と書かれていることも多いのですが、グレインフリーが犬の健康にとって良いという科学的な根拠はありません。今のところ、グレインフリーがおすすめだと言えるのは「穀物アレルギーのある犬」くらいです。
ですから、ドッグフード選びの際にはグレインフリーにこだわらず、愛犬にあったフードを探してあげてください。
ドッグフードにこんな原材料が入っていたら危険かも?
酸化防止剤
酸化防止剤はドッグフードの酸化を防ぐために必要不可欠な添加物です。
プレミアムフードでは、一般的にミックストコフェロール、ローズマリー抽出物など安全性の高い天然の酸化防止剤が使用されています。
しかし、一方では安全性が懸念されている酸化防止剤が使用されているケースも少なからずあります。もし、以下のような添加物名が書かれていたら注意してください。
- エトキシキン
- BHA
- BHT
- 没食子酸プロピル
規程量以下であれば安全だとされていますが、不透明な部分も多いため、できれば避けることをおすすめします。
着色料
着色料の使われているドッグフードには注意が必要です。合成着色料のなかには発がん性が認められているなど危険性が指摘されているものも多数あります。
そもそも、犬にとって色は食欲とは無関係です。着色料を使用するのは、飼い主さんの購買意欲を高めるためだといわれています。
愛犬の健康を守るためにも、不要な添加物はなるべく摂取させないようにしたいものです。
○○ミール、ドライ○○、乾燥○○、肉骨粉など
ミールとは肉や魚を乾燥し粉末状にしたものです。表記は、○○ミール、ドライ○○、乾燥○○などさまざまです。
ミールには、ミートミールや家禽ミールといった肉の種類が曖昧なものから、チキンミール、ラムミールなど特定の動物の肉を使用したものまであります。
ミールの種類によっては、使用している原材料の不透明さ、加工時に入れられる添加物の安全性などが疑問視されているものもあるので注意が必要です。
もし、ミール入りのものを与える場合は、なるべくチキンミールやラムミールなど原材料となる肉や魚の種類がはっきりと明記されているものを選ぶと良いでしょう。
4Dミート
4Dミートとは以下のような人間の食事には適さない肉とされています。
- Dead:死んだ動物の肉
- Dying:死にかけていた動物の肉
- Deseased:病気だった動物の肉
- Disabled:障害を持っていた動物の肉
これらの頭文字のDをとって「4Dミート」と言われています。
ドッグフードに使われるミートミールは4Dミートを使っているという噂が絶えません。あくまでも噂であって、実際に使われているかどうかは不明です。
まとめ:用語を知ればドッグフードの安全性が見えてくる
今回はドッグフード選びで最低限、知っておくべき用語だけに絞って解説しました。
ドッグフードの選び方について調べていると、さまざまな用語を目にすると思います。気になったドッグフードが安全か危険かを見極めるためには、言葉の意味を知らなければいけません。
難しいなと感じる飼い主さんもいるかもしれませんが、少しずつでも覚えることをおすすめします。
この記事を書いた人
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保有資格:ペットフードー/ペットマナー検定、ペット災害危機管理士、犬猫行動アナリスト。
ヒゲわんが大好きなフリーライター。ミニチュアシュナウザーなど犬の飼育歴25年、現在はワガママなお嬢様猫と同居中。ペット系メディアでの記事執筆の実績多数。
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