人間の食べものでも「無添加のほうが健康にいい」といいますよね。それは犬も同じ。
もちろん、添加物のすべてがだめというわけではありません。問題なのは、犬の健康にとってよくない影響があるかもしれない添加物です。そういったものは、できるだけ避けたいものですよね。そこで、何故ドッグフードは無添加が必須条件なのか?について解説致します。
また、無添加ドッグフードを選ぶべき理由だけでなく、知る人ぞ知るおすすめの無添加フードもご紹介します。
間違えやすい無添加ドッグフードの定義とは?
「無添加」をセールスポイントにしているドッグフードはほとんどの場合、合成添加物を使用していないという意味合いで無添加とうたっています。 けっして添加物を使っていないということではありません。
これは、化粧品でも似たようなものですね。無添加化粧品と謳っていても、合成でない天然成分の添加物は配合されていることがあります。
※この記事でも「合成添加物を使用していないドッグフード」を無添加ドッグフードとしています。
ドッグフードには添加物が必ず入っている
実のところ、100%無添加の総合栄養食は存在しません。というとおどろく人もいるかもしれませんが、総合栄養食であればどんなドッグフードにも必ず添加物が入っています。
必ず入っている添加物には次の2つがあります。
- 栄養添加物
- 酸化防止剤・その他保存料
栄養添加物
製造過程でどうしても失われてしまう栄養素(ビタミン、ミネラルなど)があります。そのままでは、総合栄養食の基準を満たせなくなってしまいます。たとえば、熱や酸素に触れることで化学反応によってその一部が失われてしまいます。すると、基準値を下回ってしまう可能性があります。そのため、足りなくなった栄養素を添加物として補う必要があるのです。
酸化防止剤、その他保存料など
酸化防止剤や保存料はドッグフードの品質を保持するためには欠かせません。酸化防止剤にはエトキシキンやBHA(ブチルヒドロキシアニソール)、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)など安全性が疑問視されるものから、ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物といった安全性が高いといわれている天然由来の酸化防止剤まであります。これは化粧品の場合とそっくり似てますね。
また、保存料にも安全性の高いものから健康に悪影響をおよぼす可能性が指摘されているものまで様々あります。
合成添加物の危険性
合成添加物には、発がん性や遺伝子への影響を否定できないものが少なからずあります。
また、合成添加物を単独で使用した場合の安全性を示すデータはありますが、複数の合成添加物を同時に摂取した場合の安全性を示すデータはありません。相互作用で有害な反応を示す可能性を否定できないという意見もあります。
合成添加物がほんとうに危険なのかどうかは専門家の間で賛否両論ありますので、危険性がまったくないとも言い切れません。
たとえば、短期間のデータだけを採取して、「この成分の安全性が確認できた」とアピールされることもあります。2年以上の長期間わたって摂取するとどのように影響を及ぼすかわからない、ということもあります。
そういう賛否両論、曖昧で玉虫色で不透明な状況では、できるだけ避けたほうが安心でしょう。ゆえに無添加のドッグフードを選ぶのが賢明といえます。
無添加なら安全とはかぎらない
無添加は安全のためのひとつの基準であって、注意したい事柄はほかにもたくさんあります。
たとえば、肉の品質やGMO(遺伝子組み換え食品)などの不安もあれば、水銀やカドミウムといった重金属、ウェットフードの缶詰に使われている可能性のあるBPA(ビスフェノールA)の問題など気にし出したらきりがないほどです。
煽るつもりはまったくありませんが、このように、ドッグフードのパッケージやメーカーの情報では見えない部分にも危険は潜んでいるのです。しかも、こういった危険性をすべて避けるのは不可能です。だからこそ、せめてぱっと見てわかりやすい合成添加物ぐらいは避けたいわけです。
つまり、飼い主として愛犬を大切にするのであれば「無添加であればよりベター」ではなく「無添加が必須条件」なのです。
おすすめの無添加ドッグフード
ここまで無添加のドッグフードについてのお話をしてきました。では、どんなフードが良いフードなのでしょうか?おすすめのドッグフードのブランドをいくつかご紹介したいと思います。ぜひ、参考にしてください。
無添加ドッグフードの選考基準
今回は以下の4点に焦点をあて、もし愛犬に与えるならという視点で選んでみました。
- 安全性が疑問視されている添加物を使用していない(無添加)
- 安全性が高い原材料のみを使っている
- 高品質な動物性タンパク質が多く含まれる
- 肉や魚の種類がはっきりしている
- 遺伝子組み換え原料を使用していない
ミールでもラムミールやチキンミールなど肉や魚の種類が特定できるものはOKとしています。
ナウフレッシュ
レンダリングミートミールや肉副産物をいっさい使用せず、新鮮なターキー(七面鳥)、または生のマスを主なタンパク源としたグレインフリーのドッグフードです。新鮮なフルーツや野菜を20種類以上も使用し、タンパク質や炭水化物、脂質のバランスにもこだわっています。
キブル(粒)は中型犬以上向けのレギュラー粒と小型犬にも食べやすい小粒の2種類が用意されているので、愛犬に合ったサイズを選ぶことができます。こういった心配りをしてくれるメーカーは信頼感がありますよね。
キアオラ
高級ペットフードブランドとして知られるジウィ製品を輸入しているレッドハートが開発した独自のレシピで製造しているニュージーランド産のドッグフードです。
基本的に肉食の犬に不要な原材料を排除し、ニュージーランドの大自然で牧草を食べて育ったラム肉や牛肉を使用。そのほか、サーモンやオーストラリア産のカンガルーを使用した5種類のレシピがあります。
使用している肉は、トレーサビリティを徹底した契約牧場のもののみを使用しているため、詳細が不明の肉が使われる心配もありません。
ニュージーランドはBSE(狂牛病)非汚染国なので、牛肉も安心して与えられるのがうれしいですね。
余談ですが我が家の愛猫もキアオラのキャットフードが大のお気に入りです。
AATU(アートゥー)
AATUは新鮮な生肉を主原料にした単一タンパク源のドッグフードを世界ではじめて発売したイギリスのブランドです。肉または魚を80%、野菜やフルーツ、ハーブのほか植物に由来する原料を20%を使用することで、もともとは肉食だった犬にとって自然で消化吸収しやすいバランスに整えられています。
穀物やジャガイモ、グルテンは不使用(グレインフリー)。また、原材料は基本的にEU圏内から集められたものが使われています。
アーガイルディッシュ
アーガイルディッシュは日本人が日本の犬の食習慣を考慮して作ったオーストラリア産のドッグフードです。オーストラリアの認定機関ACO(Australia Certified Organic)から認定を受けたオーガニックフード2種類と、ACO認定外ですがオーガニック素材を使用したグレインフリーのアレルギー対応フードがあります。
ほかのメーカーのドッグフードと比べると知名度は高くはありませんが、食材の安全性には大変強いこだわりが感じられるメーカーです。
また、動物性タンパク質としてはラム肉や牛肉を使用しているほか、アレルギー対応のフードでは、オーストラリアンマッカレル(サワラ)、テイラー(アミキリ)、エミューなどほかでは見られない変わった原材料を使用しています。
まとめ:愛犬の健康を守りには無添加のドッグフードがおすすめ
100%無添加の総合栄養食はありません。冒頭で解説しました通り、無添加のドッグフードとは「合成添加物が使われていない」ドッグフードという意味合いです。
ドッグフードには、ビタミンやミネラルなどの栄養素を補うための栄養添加物やフードの酸化を抑える酸化防止剤など欠かすことのできない添加物があります。天然由来でわんちゃんに必須な添加物の成分であれば摂取すべきものといえます。
問題になるのは、エトキシキンなどの合成添加物ですのでお間違えのないように。また、複数の合成添加物を同時に摂取した場合の安全性についても曖昧です。
愛犬の健康を考えるなら、ぜひ無添加ドッグフードを選びましょう。
この記事を書いた人
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保有資格:ペットフードー/ペットマナー検定、ペット災害危機管理士、犬猫行動アナリスト。
ヒゲわんが大好きなフリーライター。ミニチュアシュナウザーなど犬の飼育歴25年、現在はワガママなお嬢様猫と同居中。ペット系メディアでの記事執筆の実績多数。
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