
近年注目を集めている「ヒューマングレードのドッグフード」は、人間が食べても安全な品質の原材料を使用したフードとして人気を集めています。
しかし、実際にはヒューマングレードの明確な定義がありません。そのため、選び方に迷う方も多いのではないでしょうか。
そのため、この記事では、ヒューマングレードのドッグフードの意味を詳しく掘り下げてみます。また、後半ではヒューマングレードのおすすめ商品を複数解説します。
ヒューマングレードのドッグフードとは? 少し深堀りしてみる!
ヒューマングレードとは、「人間が食べても安全なレベルの原材料」という意味で使われる言葉です。
ドッグフードにおけるヒューマングレードの場合は、人間用の食品と同等の品質管理がされた原材料を使用したフードを指します
- 人間が食べられる品質の原材料を使用
- 食品工場と同等の衛生基準で製造
- 添加物や保存料の使用を最小限に抑える
- 栄養バランスが考慮されている
ただし、注意すべき点として、「ヒューマングレード」という言葉には明確な法的定義がなく、メーカーが独自の基準で使用している場合が多いです。
これは「無添加表記」と似ていて、単に「ヒューマングレード」と表記されているだけでは、その品質を完全に保証するものではありません。
ヒューマングレードの表記だけで安全性が高いとは限らない
ヒューマングレードとは、ドッグフード選びの一つのプラス要素に過ぎません。ヒューマングレードであっても危険な添加物があれば台無しですし、犬種を確かめなかったり、栄養が極端に偏っていてはむしろ買わないほうが良い場合さえあります。
ヒューマングレード・ドッグフードのメリットとデメリット
ヒューマングレードのドッグフードといえど、いくつかのメリットとデメリットがあります。
メリット
- 安全性の高さ:人間が食べられる品質の原材料を使用しているため、安全性が高い傾向にあります。
- 消化吸収の良さ:イリノイ大学アーバナシャンペーン校の研究によると、ヒューマングレードの食材を使用したドッグフードは消化吸収率が高く、排泄物の量が減少することが確認されています。
https://academic.oup.com/jas/article-abstract/99/2/skab028/6123189 - 栄養価の高さ:新鮮な原材料を使用しているため、栄養素が豊富に含まれていることが多いです。
- 添加物の少なさ:多くのヒューマングレードドッグフードは、人工添加物や保存料の使用を可能な限り控えています。
デメリット
- 価格の高さ:高品質な原材料を使用しているため、一般的なドッグフードよりも価格が高くなる傾向があります。
- 保存期間の短さ:保存料を使用していない場合、保存期間が短くなることがあります。
- ヒューマングレードの定義があいまい:明確な基準がないため、製品によって品質にばらつきがあります。
ヒューマングレード・ドッグフードの選び方
ヒューマングレードと謳われているドッグフードを選ぶ際には、以下のポイントに注目しましょう。
原材料の品質と産地表示
ヒューマングレードのドッグフードを選ぶ際は、原材料の品質と産地表示を確認することが重要です。特に国産の原材料を使用したドッグフードは、安全性の面で信頼できることが多いです。
原材料リストは基本配合の多い順に並んでいます。そのため初めに記載されている食材がメインの原料となるため、肉や魚などの「良質なタンパク源」が上位に記載されているものを選びましょう。
無添加表示の確認
多くのヒューマングレードドッグフードは無添加を謳っていますが、何が無添加なのかを具体的に確認することが大切です。特に以下の添加物が含まれていないかチェックしましょう:
- 人工着色料
- 人工香料
- 合成保存料
- 酸化防止剤(特にBHAやBHT)
- 防カビ剤
製造工場の品質管理基準
製造工場の品質管理基準も重要な選択ポイントです。
以下のような認証や基準を満たしている工場で製造されたドッグフードは、品質管理が徹底されている可能性が高いです。
- 有機JAS認定
- HACCP認証
- GMP(適正製造規範)
- ISO認証
愛犬の年齢や体格に合わせた選択
「ヒューマングレードだからこれでOK!」ではなく、子犬や大型犬など、愛犬の年齢や体格に合わせたドッグフードを選ぶことがとても重要で、これをおろそかにしてはいけません。
子犬には成長をサポートする栄養素が豊富なもの、大型犬には関節ケアに配慮した成分が含まれているものがおすすめです。
人気のヒューマングレードドッグフードおすすめ5選
市場には様々なヒューマングレードドッグフードがありますが、特に評判の良い商品を5つ紹介します。
国産原料にこだわった「ポンポンデリ」
九州産の鶏肉やレバーなど、国産のヒューマングレード原材料を使用したドッグフードです。保存料、着色料、酸化防止剤、香料などの添加物を使用せず、有機JAS・HACCP・GMP・ISO2205を取得した工場で製造されています。
対象犬種:成犬用
特徴:国産原料、無添加、食いつきの良さ
国:日本
コスパに優れた「ネルソンズドッグフード」
原材料の50%以上にチキンを使用し、チキンの生肉やサツマイモ、エンドウ豆などヒューマングレードの原材料を使用しています。
対象犬種:中型・大型犬用
特徴:グレインフリー、大容量、コスパ良好、高タンパク
国:イギリス
やわか
水たき料亭「博多華味鳥」が、料亭で出すのと同じ鶏を使ってドッグフードを作っています。九州の自社養鶏場で育てた「華味鳥」を100%使用し、その他の原材料も国産素材メインです。
対象犬種:全件種・全年齢オールステージ用
特徴:着色料、小麦グルテン、オイルコーティングはすべて不使用。やわらかいので噛む力の弱い子犬やシニア犬に向ている。
国:日本
鹿肉を使用した「ユリカゴ」
ヒューマングレードの新鮮な生鹿肉を主原料に使用したドッグフードです。高タンパクで低脂質な白身魚も配合されており、消化に負担がかかりにくい設計になっています。アレルギーを持つ犬にも適しています。
対象犬種:全犬種・全年齢
特徴:生鹿肉とHDP白身魚・ミルクプロテインは上質なヒューマングレードのものを採用。鹿肉使用、低脂質、アレルギー対応
国:イギリス
小型犬向け「このこのごはん」
小型犬の健康維持に特化して開発されたドッグフードで、ヒューマングレードのお肉や魚を使用しています。関節の健康維持をサポートする成分が含まれており、子犬からシニア犬まで与えることができます。
対象犬種:小型犬(全年齢対応)
特徴:小麦グルテンフリー、たんぱく質が多い
国:日本
市販のヒューマングレードドッグフードはどう選ぶ?
ペットショップやスーパーなどで市販されているヒューマングレードドッグフードを選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。
市販品の特徴と注意点
市販のドッグフードには、「ヒューマングレード」と表記されていても、実際には一部の原材料のみがヒューマングレードである場合があります。原材料の大部分がヒューマングレード対象外であれば、むしろ控えたほうが良い場合さえあります。パッケージの表示をよく確認し、どの原材料がヒューマングレードなのかを把握することが重要です。
また、市販品は通販商品に比べて選択肢が限られることがあります。特にヒューマングレードとして専門的なドッグフードは、オンラインショップでの取り扱いが多い傾向にあります。
安いヒューマングレード・ドッグフードの見極め方
コスパの良いヒューマングレードドッグフードを選ぶ際には、以下のポイントを確認しましょう。
- kg単価の比較:内容量1kgあたりの価格を計算して比較する。(実際に意外に大きな開きがあります)
- 定期購入の活用:何回か試して問題なければ定期購入に切り替える
- 原材料の質と量:全体の量だけで決めるのではなく、メイン原料の配合割合が高いものを選ぶ
- 必要最低限の添加物:完全無添加でなくても、添加物をできる限り少なく使用しているものを選ぶ
ヒューマングレードドッグフードに関するよくある質問
グレインフリーとヒューマングレードの違いは?
グレインフリーとは「穀物不使用」を意味し、小麦、トウモロコシ、大麦などの穀物を含まないドッグフードを指します。一方、ヒューマングレードは原材料の品質に関する表現で、人間が食べても安全なレベルの原材料を使用していることを示します。
つまり、グレインフリーのドッグフードがすべてヒューマングレードというわけではなく、ヒューマングレードのドッグフードがすべてグレインフリーというわけでもありません。両方の特徴を兼ね備えたドッグフードも市場に存在します。
子犬にヒューマングレード・ドッグフードを与えても大丈夫?
子犬にヒューマングレード・ドッグフードを与えることは基本的に問題ありませんが、成長期の子犬に必要な栄養素がバランスよく含まれているかを確認することが重要です。特に、子犬の成長をサポートするタンパク質、カルシウム、リンなどの栄養素が適切に配合されているものを選びましょう。
また、できる限り「子犬用」や「全年齢対応」と明記されているヒューマングレード・ドッグフードを選ぶことをおすすめします。
愛犬にとってベストなヒューマングレードドッグフードを選ぼう
ヒューマングレードのドッグフードは、人間が食べても安全なレベルの原材料を使用した高品質なフードとして注目されています。しかし、先に述べた通り「ヒューマングレード」という言葉に明確な定義はなく、メーカーによって基準が異なる場合があります。
愛犬にベストなヒューマングレードドッグフードを選ぶためには、原材料の品質と産地、無添加表示の内容、製造工場の品質管理基準など、ヒューマングレード以外の部分をしっかりと確認することが大切です。
また、愛犬の年齢や体格、健康状態に合わせた選択も重要です。子犬、成犬、シニア犬では必要とされる栄養が変わってきます。
栄養バランスに長けた商品は複数比較することではじめて判ることがあります。
価格が高いものが必ずしもベストというわけではなく、コスパの良い国産ヒューマングレードドッグフードも増えています。定期購入や大容量パックを活用することで、経済的な負担を軽減しながら高品質なドッグフードを愛犬に与えることができます。
愛犬の健康と幸せのために、ヒューマングレードドッグフードの特徴を理解し、ベストな商品を見つけてあげましょう。
この記事を書いた人
- 20年近くWEBに携わる。様々なメディアサイト運営経験あり。人の健康情報や民間療法などに関心があることを活かして、ドッグフードの記事を書いています。記事は可能な限りファクトチェックしています。